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Tears ~緑のしずく~

第13章 22歳の花嫁~あの日に帰れるとしても~

あの日

 あなたと聴いた音楽は
  松任谷由実の
〝リフレインが叫んでる〟だった

 何て哀しい曲
初めて耳にした瞬間
 感動とともに
心に芽生えた不安が
 まさか2年後
現実になるなんて
 考えもしなかった あの時

確かに 私は
 幸福の絶頂にいたかもしれない

 婚約指輪を買いにいった
お店で流れていたBGMが
 あの曲―別れの曲だったこと

もちろん
 単なる偶然にすぎないのだろうけれど

 後になって
私たちを見舞うことになる
 運命を考えたとき

 あれは確かに何かの
予兆であったのかもしれないと
 今なら思う 

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