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Tears ~緑のしずく~

第13章 22歳の花嫁~あの日に帰れるとしても~

あれから
 幾つもの季節がめぐり

 私も 恐らくは あなたも
あの頃の面影を保ちながらも
 すっかり変わってしまっただろう

 あの頃
初めて巡り逢ったとき
 あなたは24歳
 私は22歳でだった

 兄貴の婚約者だけど
好きになっちまった
―少し恥ずかしげに告白されてときには
一瞬 夢かと思った

 冴えない平凡な女子大生に
あるひ突然 訪れた恋
 まるでドラマのヒロインになったように思え
 何度も頬をつねってみた

幸か不幸か
 お兄さんは元カノの寄りを戻し
 私たちは晴れてつきあえるようなった

 けれど 今となれば
あれがすべての間違いというか
不幸の発端であったような気がする

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