
社長様のモノ
第1章 派遣先は…
–––––– こうして、天堂財閥本社の前に立つ私。
うぅ…デカすぎるよぉ…
数分ぐらい経っているが、本社に入って行く社員たちは皆 エリートビジネス。
女の人は綺麗でキャリアウーマンみたいだし、男の人はビジネスマンって感じ。
そんな凄いところに、こんな平凡な私が入れるわけないでしょ!?
でも………、出勤時間が9時なんだよねぇ…
あと、5分…
うぅ…仕方ない!
腹をくくって、この会社に貢献できるように、自分なりに頑張ればいいのよね!
新しい 間宮 杏樹、頑張ります!
私は玄関へ踏み出して、茶封筒の中に入っていた私の社員カードをスキャンさせる。
うわ…外も綺麗だったけど、中はもっとすごいわ…
…っと、見惚れてる場合じゃない‼︎
社長室に行かないと…
私は受け付けの案内係のほうに行き、これまた綺麗なお姉さんに話しかける。
「あのっ、今日から社長の秘書になりました、間宮 杏樹ですっ!社長室は…どこでしょうか?」
「間宮様ですか?そんな方、名簿には書いておりませんが。他の部署じゃないでしょうか」
…ゔ……心なしか、冷たい気がする…
案内係の人は、もっと、こう…笑顔なイメージなのに…
目の前にいるこの人は、私を睨んでいる感じがする。
えっと…私、何かしましたっけ?
