
社長様のモノ
第1章 派遣先は…
「でも…っ、社長の秘書って書いてあったんです!もう一度、探してみてくれませんか?」
私は粘り強さでは負けないからね!
急に移動になったってのに、ここで追い出されちゃ 困るよ!
「ありませんと言ったら、ありません。お引き取り願います」
名簿を探しもせずに、私に言い放った。
これは…流石の私も…、ムカつきます。
「…じゃあっ、社長室だけ教えて下さい」
別にここの名簿に無かったとしても、社長室に行けば わかるでしょ。
「誰かもわからない方を、社長室にお通し出来ません。
お引き取り願います」
ムカッ……
なんなの、この人‼︎
私が何したって言うのさ‼︎
それに、社員カードでゲートを通ってきているのに、名簿に無いこと自体がおかしいのよ!?
「もう一度っ…
「何をやっているの?うちの秘書を混じえて」
……へ??」
後ろから聞こえた低くて威圧感のある声に、間抜けな声が出た。
