
社長様のモノ
第2章 二人の関係
自然と視線が交じり合い、甘い雰囲気が私たちの周りを漂う。
煌貴の、鋭く優しい目に引き込まれそうで、私は プイッと自分から視線をそらした。
そうしたら、この人に溺れなさそうな気がしたんだ。
沈黙の時間が過ぎ、煌貴が黒くて長いリムジンへ 向かった。
少し年老いた運転手さんが 車のドアを開くと、煌貴は私を抱きかかえたまま、悠々と車に入り込んだ。
シトラスの香りが 鼻の奥を刺激し、ツンとくる。
私は煌貴の腕の中で 車に揺られながら、外の景色を眺めていた。
これから起こることも知らずに……
