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社長様のモノ

第1章 派遣先は…




「大丈夫。そんな怖がらないで?」



社長さんは スーツを脱いで、ソファにパサッと掛けた。



中から見えたストライプの線の入ったベストも、かっこよかった。



よーく、社長さんの顔を見ると、顔立ちが整いすぎているくらい綺麗。




キリッとした眉に、二重まぶたに切れ長の瞳。


スッと通った鼻に、シャープな顎ライン。


サラサラと靡く黒髪は、全然 傷んでいない。



脚も長いし、ルックスも抜群だ。




本当に、この人が社長…?って思うほど。




私はギュッと鞄を握りしめ、立ち尽くす。



ガチゴチな私に、社長さんは 社長席とやらに座り、手招きした。












「杏樹。おいで」









え?杏樹?



久しぶりに呼ばれた下の名前に、ポカン、と口を開く。




「早く来ないと、今日のスケジュールが全て遅れてしまうんだけど?」




ゔ……


そんなことを言われたは、行かざるを得ない。



私は渋々 社長机の前に立つ。




「な、なんでしょう…?」



私がビクビクしながら質問したっていうのに、




「お前の席は、俺の上だから。早く来い」





「……へ?」



「早く来ないと………、



「わ、わかりました、来ますっ…!」」




もうその台詞 聞きたくないよー!



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