「先生、食べちゃっても良い?」
第19章 おまけ2
……結婚の事、聞きたいけど。
キョウ君の負担になりたくない。
25歳でそろそろ結婚を考えてるとか、これから色んな未来が待っているキョウ君に対して、きっとキョウ君を縛り付ける事になる。
そんなの絶対に嫌……。
「……別に、キョウ君が勉強しないから心配だっただけだよ」
「本当に? 従兄弟から何か言われたんじゃないの?」
「違うよ。そんなわけ……」
ない、と続けて言おうとし、視線をキョウ君の顔へ向けたが。
キョウ君からじっと真剣に見つめられると。
心が揺さぶられた。
「先生」
「な、何……?」
「俺隠し事されんの嫌いだから。従兄弟から俺の事とか、何か言われたんなら話して」
「別に、何も言われてないよ……」
「嘘。従兄弟から自分の方が良いとか言われたんじゃないの? 勉強しない俺なんかより、従兄弟の方が良いとかさ。だって、将来の話をするなんて……先生が俺との将来に不安を感じたってことでしょ?」
キョウ君はそう言うと、私の顔を見下ろしたまま瞳を不安げに揺らす。
そんなキョウ君に対し、私は慌てて誤解を解こうとするも。
「ちがっ!」
「違わないよ。先生頭良いしさ、彼氏にするなら将来有望な男の方が良いんでしょ……?」
「っ……何言って……」
だが、キョウ君が私の体から体を離して、シュンと落ち込んだような顔をすると。
どうして良いのか分からずに、たじろいだ。