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「先生、食べちゃっても良い?」

第5章 部屋

メラメラと闘志の炎を燃えたぎらせ部屋の中に戻ると、暫くしてインターフォンが鳴った。






『千尋さん、俺だよ』
「どうぞ……入って」







インターフォン越しに冷静な口調でそう告げるものの……








「お邪魔しまーすっ!! 」








さあて、どうやってこのチャラ男を痛ぶってやろうかしら……ふふふふ。






「ん? 先生、なんか目付き怖い……」

「そう……? 気のせいじゃない?」







いつも意地悪されてるお返しも兼ねて、キョウ君にさっきのキスの仕返しをしなくちゃ。



とりあえずまずは手始めに……コーヒーカップに辛子を塗って……







「今コーヒー淹れるから、キョウ君はソファに座っててね?」







作戦通り、キッチンでコーヒーを淹れる筈だった。


けど、後ろから急に抱きしめられると、コーヒーカップを持っていた手を滑らた。





「先生……俺も手伝うよ」






えっ……!?


手伝われたら辛子を塗れないんですけど!!!







それに、ていうか……ていうか……








「ん……キョウ君、くすぐったい……」


「先生の匂い、いい匂い。部屋の匂いと一緒だね」









耳元で甘く囁かれ首筋にちゅっとキスされると、全身が痺れたように動かなくなる。

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