百鬼夜行左藤家黙示録
第11章 命の鍵奪還作戦
いや家の前の細い空き地に
誰もが知っている高級車が止まっている
「うわっベンツじゃん!
誰か来てんのか!?」
「いや」
「まさか!?
借金の取り立てとかか!?」
「いや」
「てことは義男が競馬で一発当てて
衝動買いしちゃったみたいな!?」
「いや」
「…ははは
まさか盗んだなんて事ないよな…?」
「そのまさかだ…」
なんという事だろうか
なぜ私はよく考えずに来てしまったのか
まさに目先の欲を追った結果である
「だが安心しろ!
こんなベンツ捨てちまえばいんだよ!」