
百鬼夜行左藤家黙示録
第12章 激闘雀鬼
しかしそんな思考は
吹き飛ぶほど些細であった
「こいつを見てくれ!
全部諭吉さんだぜ!」
この男はとうとう行くとこまで
行ってしまったのだろうか
扇げるほどの万札を振りかざすとは
学校をさぼって
コンビニ強盗あたりに手を染めたか
「そっそうかそれは凄いな!
じゃあとりあえず
貸してた金を返してくれないかな!」
「そうだな!
まあ利息も付けてやるとするか!」
なんという事だろうか
出すのは舌を出すのも惜しむ義明が
いつもは無い袖は振れない義明が
そんな下衆の極み義明が金を返しただと
これはただ事では無い
何か裏があるに違いない
