
百鬼夜行左藤家黙示録
第13章 解き明かされる黒歴史
中年男が後ろめたい事があるのは
すぐにわかった
このビルはほとんど会社の名前も無く
廃墟寸前という感じだったからだ
すると2階の踊り場から声がした
「兄ちゃんだれやー?」
一瞬驚いたが
すぐにさっきの中年男だとわかった
「ちょっと聞きたい事がありまして…」
「ほう!わしの事知っとんのか?
ひょっとしてウチの客なんか?」
「客?
いえそういうわけじゃないんですが…」
「まあええわ!
ここんとこプッシャーほとんど
パクられてもーて
このままやとノルマ達成できへんのや!」
どうもこれはババを引いてしまったか
だがそのジョーカーを利用しなくては
一向に先に進まない
「ははは…
それで警察があんなにいたんすね!
ところで左藤義男ってご存知ないですか?」
「あーん?
そりゃウチの上客やがな!」
「!!??」
