
百鬼夜行左藤家黙示録
第13章 解き明かされる黒歴史
左藤家前の路地に着いたが
遅かったようだ
なんとパトカーが来ていた
まさか義明は
本当に宝石を盗んで指名手配になったのか
と思ったら
パトカーは帰って行ってしまった
私は慌てて義明を呼んだ
「おい!パトカー来てたけど
なんかあったのか!?」
「ああ…
なんか予告状送ったら
悪質なイタズラするなとか
注意しにきたんだよねー」
「予告状?
ルパンみたいにって事?」
「ったくせっかくテンション上ってたのに
まじ下がるわー!
イタズラじゃねーっつうのにな!」
変に刺激を与えるとまた馬鹿な幻想を抱く
そのため義男の件は話さないでおこう
咲き誇る華が散るには
まず咲く必要があるのだから
義明にはこのままずっと
芽のままでいてもらいたい
