
百鬼夜行左藤家黙示録
第14章 友情の価値は
私は何店舗か回ったが
最後に着いた店に義明はいると確信した
何故なら店前にパトカーが止まっている
これは間違いないだろう
とその中からこそこそ抜ける怪しい人物
そう義明を発見した
「おい!やっと見付けたぞ!
なんで野土だけ捕まってんの?」
「うわっ!びっくりしたー!
あいつは俺の影武者だからな!
そんな事よりどうかしたのか!?」
もはや開き直っているとはたいした悪党だ
私が洗いざらい警察に話したいとこだが
「泡路の話聞いたぞ!
とりあえず金返さないと
少年院だぞ?詐欺だし」
「まじで!?
そこをなんとか!!」
全く悪びれる様子も無いが
少年院は嫌らしい
本当にどうしようもない人間である
「バキッ!」
私は義明を殴った
さすがに我慢の限界だったのだ
すると捨て台詞に彼は言った
「友情は利益を産むんだぞ!!」
この男はそのためだけに他人に接触するのか
とその瞬間に私は背筋に寒気を覚えた
