
百鬼夜行左藤家黙示録
第15章 儚い希望
年も明け本格的に寒くなってきて
新学期を控えもう2年生も
終盤をむかえる時期となった
だが私の家の前にはそんな寒ささえ
忘れたかのように叫ぶ男がいた
そう義明だ
「たーのーむって!
金を貸してくれーい!」
どうやら先日の泡路詐欺事件の
返金に困っているらしく
新年早々焦っている様子だ
「いい加減にしろって!
ここで俺が金貸したら
俺も詐欺に関わってるって思われるだろ!」
「おいおい!
それは詐欺じゃなくて投資だよ!
人聞き悪い事言うなって!」
「もうどっちでもいいけど
パクられると思って金返そうとしてんだろ!
ならこんなとこ来てないで
新聞配りでもやってこいよ!」
