
百鬼夜行左藤家黙示録
第6章 暴走果てしなく
「では私もコンビニまで
付いていきますので」
世の中そこまで甘くはなかった
おしいところまではいったが
店員の方が一枚上手だったというわけだ
そしてコンビニに向かおうと
扉を開ければやはり義男がいた
義明は父親に頼るように
義男の背に回った
よく考え直せば元凶はこの男なのだが
「お客様お支はらっ!!ぐっ!」
ジンロのビンすら
木端微塵にする握力で
店員の首を絞める
金を献上するのでも
半端な金額なら怒るというのに
逆に金を請求するなどとは
まさしく言語道断である
騒々しい店員も気絶し
車へと向かうが
義男はなぜか助手席に乗っている
もう運転するのすらめんどくさいのだ
「えっ俺が運転するの!?」
逆らえば殴られるうえに
見知らぬ土地においてけぼりだ
義明はゲームセンターで遊んだ
感覚を頼りに車を発進させる
