
百鬼夜行左藤家黙示録
第7章 正月の憂鬱
義男は完全に覚醒していた
1年で最も危険なこの時期は
普段を地震・雷・火事・義男とすると
戦争・疫病・核・義男といったところだ
それは言いすぎかもしれないが
毎年の事なので義明の母親は
クリスマス前からすでに帰国している
ところが義明の場合
去年は2階の自室に隠れていたが
うっかりトイレを使用しようとして
義男に捕まり湯船に沈められ気絶させられ
最悪の正月を過ごしたのだ
今年はそんな事態は避けるために
家に帰らないという
利口かつ当たり前の手段を取る事にした
