
百鬼夜行左藤家黙示録
第7章 正月の憂鬱
義明は友達がいないので
誰かの家に行くという選択肢はない
かといってこの寒い深夜を
外で過ごすのもかなり厳しい
そこで義明が考えたのが侵入である
普通の考えでは至らない
まさに犯罪者特有の発想であろう
義明がこの事を思い付いたのは
同じクラスの羽蛾という
中国人の同級生との会話である
「左藤正月ドッカイクノカ?」
「えっ?どこもいかねーだろ」
「ソーカ!僕中国カエル
オミヤゲ買ッテクルヨ!」
「あーそれならお土産はいいから
金貸してくんない?」
「…」
