
百鬼夜行左藤家黙示録
第8章 初恋のゆくえ
もはやここまでいくと病人の類いだろう
だんだんこの男の思考回路が怖くなり
気が付いたら家に入って鍵を閉めていた
だが意地なのか知らないが
まるで日課のように
「ピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーン!」
「なんなんだよお前は!
毎晩毎晩来やがって!」
「頼む!これだけ聞いてくれ!
酒本は間違いなく俺のことがっ」
「大声出すなっ!
てかそれ酒本に言えばいいだろ!」
「いやそれは出来ない…
俺はこのプラトニックな感じが
好きなんだ…」
このままでは埒が明かない
未来永劫睡眠が義明に盗まれていく
