テキストサイズ

百鬼夜行左藤家黙示録

第9章 魔王の才を継ぐもの


するとトイレの窓から
義明がひょっこり顔を出していた

「こっから脱け出せば万事OKだな!」

「わかったから早く出ろ!」

私は手を差し伸べ義明に脱出を促すが
どうも窓が小さいためか

「やべっ引っ掛かった!」

「こっちから引っ張るから
どうにかして出ろ!」

「いやこれは結構厳しいぞ
ウエスト的に無理があるな!」

「無理でも無理矢理出ろって!
捕まったら終わりだぞ!それっ!」

「痛てててっ!
お前逆の立場だからそんな事言えんだよ!
こっちは痛いんだぞ!」

なぜこの男は
自分が不利な役を買ったかのように
こちらを非難してくるのだろう

「おい!お前!何をやってる!
逃げようとしてるのを手伝ってるな!?」

なんと店員が出てきてしまった
まあこんだけ騒げば当たり前だが

ストーリーメニュー

TOPTOPへ