百鬼夜行左藤家黙示録
第10章 堕落の果て
「あーちょっといいかな?
左藤の事で話があるのだが」
いったいなんだろうか
まさか家に匿ってるのかなどと
言うつもりなのだろうか
「実はそろそろ期末試験だろう
授業も出ないでテストも受けないとなると
成績表を出せないのでな…
悪いんだがこの手紙を左藤の家に
持って行ってくれんか…」
これはなんという天の声だろう
こういうきっかけを待っていたのだ
同じ大人でも義男とは大違いだ
「はい!わかりました!
そしてあいつを学校に来させます!」
「そっそうか!
随分楽しそうだな…
まあお前は一番左藤と家が近いからな!」
その通りである
家が近いからというのが幸運だった
そんな些細な事に感謝したのは始めてだ
いやそもそも家が近いから
こんな死ぬほど面倒な事になったのだ
そう考えたらなんだか憂鬱な気分になった