テキストサイズ

遠距離愛

第20章 二つの宝物

「違うよ。きっかけはそうなのかもしれないけど、知紗は自分で強くなったんだよ」
彼はそう言って子供にするみたいに頭を撫でた。

「俺は知紗にたくさんもらってるんだよ
笑い方とか、楽しい食卓とか、愛とかね
複雑な家庭で育ったのを言い訳にはしたくない
でも、家族の団欒とか知らなかったからさ」

「俺はこれから知紗にどれだけ返せるのかな?
どれだけの幸せをあげられるんだろう?
…今は、形だけで誤魔化していい?」

そう言って彼はペアリングを出した。

「届けを出すなって言って何だけど
指輪くらいカップルでもしてるからいいよね?」


2人だけの指輪交換と誓いのキスは
お月さまだけが見ていた…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ