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遠距離愛

第19章 これからの二人

彼は手術の2日前まで仕事に行くと言う。
やり残したことがあると責任感の強い彼だから手術しないと言われそうで怖かったし、
何もしないで過ごすのも病気のことばかり考えてしまうのも良くないと思った。
だから何も反対はしなかった。

彼が、必要最低限の荷物を持って家を出ることにも何も言えなかった。

時間はあまりないけど、ちゃんと考えてほしいからと
彼はお兄さんのところに泊まっている。

一緒に暮らすことになって購入したダブルベッドがとても広くて寂しい。

彼の存在は部屋のあちこちにあるのに、彼がいないことが酷く寂しい。

彼を失うということは、こういうことなんだと身にしみて感じる。

遠距離恋愛とは違う。彼との生活を知ってしまった私には、彼がいないことは何とも言えない寂しさを感じる。


意を決して、私は部屋を出た。

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