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遠距離愛

第19章 これからの二人

体調を考慮して残業をしない彼を会社の前で待つ。
私を見つけた彼は、じっと見つめて何も言わなかった。
大事な話があるからと、初めて彼に連れて行ってもらった木の温もりを感じられる喫茶店へと向かった。

マスターに、挨拶をして奥のテーブル席に着く。
私は、封筒を彼に渡した。
中を見て驚いた顔で私に言った。

「これが知紗の出した答えなの?」

「答えなんかじゃない私の希望なの」

私は、署名捺印をした婚姻届を渡したのだった。
彼がいなくなるかもしれない。
だったら、だからこそ、彼と家族になりたいと思った
それに…彼がいなくなることなんて考えたくもなかった。

「だけど、もし俺が死ぬようなことになったら、お前は…「私の愛をなめないでよね?」

「病気が何?そんなの一緒に闘わせてよ」
目には涙が溜まっていたけど、それを堪えて彼を見つめて言った。

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