虹より君は……
第2章 虹 あなたと喧嘩をした日
もう、この場所で待って早数十分
あなたはまだこない
もう時刻は5時を回っていて、
空は綺麗な夕日によって茜色に染まっている
だから私の下にある影も、
もう伸びきっている
でも、あなたは絶対に来るって
わかってるから私は待つの。
「っえ!?」
ようやくあなたは来た
もう、まちくたびれちゃったよ
でも、あなたはそんなことも知らないで
今だって、
私を見つけてびっくりしてるんだよ
でも、すぐに思い出したのようにさ
口を尖らせて
あなたはそっぽを向くの
わかってる
ここまで、きたらもう謝るタイミング
逃しちゃって気まずいから
そうやって 怒ったふりすんだよね
でもね全部私が悪いの
だから、あなたを怒らせちゃったの
でも、このまんまじゃダメだと思うの
だからね
「ごめんね」
って言った
そしたらあなたは、
私を引き寄せて
優しく
そっと
キスしたの
そしたらね
さっきまで一人で寂しげに
伸びきっていた影が
一つに重なった