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虹より君は……

第3章 虹 あなたと雨の中出かけた日



「ねぇ、どっか行こ?」


休日の度に私が言っている

この言葉

いつもは、そのまんま
ひとり歩きしてどっかへ消えてしまう


あなたはインドアで外になんか
出ないで部屋の中でゲームなんかしてるから


でも、この日は

「出掛けよっか」って


あなたの方から言ってくれた


こんな、雨の日に限って




でもその言葉が嬉しかったから
私は

「うん」て頷いて



二人で仲良く傘さして外に出たの





あなたはわざと私の傘に
自分の傘をぶつけるから



私は上手く歩けなくなってしまう



さっきなんてそのせいで
大きな水たまりに入ってしまった




知ってる?


男の人と女の人って力が全然違うんだよ?



だから、あなたのそっとは私にしてみれば結構な力なの



なんて知らないからあなたは



私のそんな姿を見てくすくす笑ってるの



でも、ヤラレっぱなしじゃ私だって
つまんないからやり返すの



でも、ただやり返すだけじゃだめだからね


ちょこっと傘をぶつけて


あなたがいつもすねた時に
やるように口を尖らせるの


そしたら、あなたはそんな
私の姿を見てちょっと微笑んで



私の尖らさてる唇に





優しく


キスしたの


「もう///そんなんじゃ
許さないんだからね!」


そうは、言ったものの突然の
出来事にわたしの顔は真っ赤に
なっているのは言うまでもない





こんな、あなたの優しさが大好き




こんな、あなたのいる時間が、空間が大好き




だから、いつまでも大切にしたいの





でもね。現実ってそう簡単には行かないんだね






私のこんなちっぽけな願いでさえ叶わないんだから

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