センシティブ♥ボーイ
第8章 触って欲しい
鈴木くんはしばらくして、頭をポリポリ掻きながら、僕の方を振り向いた。
「…どうした?」
そう聞かれて、またポロポロろ落ちる涙を親指で拭ってくれる。
「……ん…」
頬に親指が触れただけで、声が漏れる。
今日はいつも以上に敏感みたいだ。
「ごめんなさい…」
僕が謝ると、鈴木くんははあ、とため息をついた。
やっぱり迷惑だよね…
泣いちゃダメだ泣いちゃダメだ。
そう思うのに、どうしてだか涙は止まってくれない。
「佐藤…触っても、平気か?」
「……う、うん…」
僕が返事をすると、鈴木くんはフワリと僕を包み込んでくれる。
鈴木くんの香りがいっぱいになって、抱きしめられているのだとわかった。
「…う、うぇ…っ」
なんだかホッとして、また涙がこぼれた。