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センシティブ♥ボーイ

第12章 男はつらいよ

【坂本side】





「あ……あの…こんにちは……」




聖司が出て行ってすぐだった。
青春っていいななんて思いながら、椅子に座ってくるくる回っていると、か細いが聞こえて。


一瞬、空耳かと思ったけど、入口の方を見ると崇史くんがひょこっとこちらを覗いていた。



「崇史くん!こんにちは」

「あ…あの…いま…今お時間…」

「ああ、大丈夫だよ。どうぞ」



いいこだねえ。
聖司なんて、「よう、入るぞ」しか言わねーよ。

姉貴、どんな教育の仕方したんだよ…



崇史くんは、遠慮がちに近づいて来ると、俺が差し出した椅子にちょこんと座った。


「どうしたの?今日は聖司と一緒じゃないんだね」

「は…はい…」


事情は知りすぎているものの、知らないふりをして様子を伺う。



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