テキストサイズ

センシティブ♥ボーイ

第13章 脱セフレ







「あ……」



夕日が教室に差し込んで、あたりがオレンジ色で染まると、パタパタと足音が聞こえて。



ドキドキドキドキ


俺の心臓の鼓動はMAXだった。



そして、ゆっくりと振り向くと、濡れた瞳と目が合う。



「す、すずきくん……」

「お前……」



グズグズと鼻を鳴らす佐藤に、さっきの緊張は吹っ飛んで、疑問に変わった。


「なんで泣いてんの?誰に泣かされた?どこのどいつだ?!」

「…わ…っ」



夢中になって近づいて、思わず壁に押し付けてしまった。
そうすると、また瞳から涙がこぼれ落ちる。



「あ…その……どうして泣いてるんだ?」


できるだけ優しく言って、指で涙を拭う。
ゆらゆらと揺れる濡れた瞳で見つめられて。
キスをしたい衝動が抑えられない。


でも、今はだめだ。
話すほうが先だ。



そう思って一旦瞳をそらすと、なぜか、佐藤の瞳からはどんどんどんどん、涙がポロポロと流れ落ちた。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ