センシティブ♥ボーイ
第16章 鈴木くんの笑顔
「なあ、真由美」
「んー?」
「俺って、見た目怖いの?」
「……」
大きな口で大きく切ったハンバーグを放り込みながら、じいっと俺を見つめる。
うーん、としばらく考えて、ハンバーグを飲み込むと、口を開いた。
「いや、だからさ、私、お兄ちゃんがマサみたいな感じだから…私慣れちゃってんだけどね、友達は確かに入学当時、怯えてたね。」
「お、怯え…」
「でも見た目で判断しがちな人は初対面でもそう思うのかもね。マサって、怖い怖いって言われてたけど、私最初全く怖くなかったよ。全然オーラないし。」
「おい。」
「マサは心が優しいからそれでいいのよ。気にすることないと思うよ。私は今のマサのままでいてほしい」
「…真由美…」
ピタリと、真由美のナイフが止まってこちらを見ると、ニンマリ笑う。
あ、これは、よからぬことを…
「今思ったでしょ。
真由美、すげぇいいやつじゃんか…俺…真由美のこと…もしかしたら…す」
「太るぞ。デブ美。」
切り分けてあったハンバーグを指でとって口に運ぶ。
「あああ!私の!なによ!いかつい見た目で女々しいくせにぃ!!」
「いてててて」
ぎゅーっと鼻をつままれて引っ張られる。
もう一年も経ってしまえば、高校生活もおしまいなんだと思うと、なんだか寂しくなった。