センシティブ♥ボーイ
第16章 鈴木くんの笑顔
◇◇◇
「………なにしてんの」
「………」
やっぱり僕じゃ笑ってくれない。
お昼休みのご飯の時間。
思い切って昨日真由美さんがやっていたみたいに鼻をギュってやってみたんだけど。
鈴木くんは不思議そうな顔をして僕を見つめるばかりだ。
「……」
引っ張りが足りないのかな…
よい、しょ
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
「あ…あ……ご、ごめんなさ…っ」
手をパッと離すと鈴木くんは涙目になっていて。
鼻も赤くなっていた。
「なに?新手の嫌がらせ?…あんま効き目ねーけど」
「あ…」
「いただき」
鈴木くんは笑ってはくれない。
俯いて、卵焼きを頬張ろうとすると、鈴木くんに横取りされてしまった。