センシティブ♥ボーイ
第16章 鈴木くんの笑顔
「うまぁ…いいなあおふくろの味ってやつは」
そう言ってニッコリと笑う。
あ…お母さんに鈴木くんの笑顔、取られちゃった…
僕が笑わせたかったのに…
「鈴木くんのお母さんは…?」
「俺ん母さんはだめ。料理とは無縁でさ、俺が作ったほうがうめーよ」
確かに鈴木くんの作ってくれるご飯は美味しい。
鈴木くんのご両親は共働きで帰りが遅いそうだ。
僕が家にお邪魔したときも一度も会ったことはない。
エッチして、僕がぼーっとしている間に、鈴木くんはぱぱっと作ってくれるというのがいつもの流れだった。
今日も…やっぱり…だめかな…
「あ…あのね……」
「うん?」
「今日は…一緒に…帰れる…?」
「あー…今日も…そうだな…」
少し目を泳がせて悪いな、と言う。
また、真由美さん…?