センシティブ♥ボーイ
第19章 どうしよう
「他に無視しちゃったとか、エピソードはあるかな?」
「え、えとぉ…あ!卵焼き…!
卵焼きを奪われた時があって…その時も、間接キスだって思ったら……目が…合わせられなくなっちゃって…」
……………んんんんん?
心当たりがありすぎるのは気のせいでしょうか…。
なんだか坂本が笑いを堪えている気がします…。
「最近好きになったのかな?」
「え、えと…僕……ずっと勘違い…してたみたいで……最近気がついて…」
「うん、それでその人はどんな人なのかな?」
「あの……ちょっと……見た目は怖い感じで……金髪で…でも、でも!とっても優しいです!あの……背が高くって…綺麗な指…」
…なんか俺を読み上げられている気がするのは気のせいだろうか。
佐藤が俺の頭とか身体を見ながら坂本に向かって話している。
自分で言うのもなんだが、俺は自惚れるタイプではない。
どちらかというと謙遜タイプのはずだ。
そんな俺が確信をもってんだからさ、
………やっぱりさ、
それってさ、
「……それって俺じゃね?」
「ぶっ!」
つい、出てしまった言葉に、笑いをこらえていた坂本は、ついに飲みかけていたお茶を吹き出し、
佐藤は絶望やらなんやら、マイナスの感情を全て詰め込んだような顔をしてこちらを見上げた。