センシティブ♥ボーイ
第19章 どうしよう
「佐藤…?」
「ちがうもん…っ」
「ちがうって、何が…」
「き、嫌い!!大嫌い!!鈴木くんのことなんて…ぼく…僕、大嫌いだもん!!」
「ちょ、おま…」
佐藤は立ち上がって叫ぶと、頬には大粒の涙が伝って制服にシミを作っていった。
そして、そのまま保健室を駆け出す。
…呆然…
へなへなと椅子に座る。
「あーあ、もう…本当にうまくいかないね。お前たちはやることやってんのに、コミュニケーションが下手くそすぎるんだよ」
「う、うるさいよ…」
「追いかけてこい」
「え…?」
「まさか、今のでちょっとショック受けたなんて言うんじゃないだろうな」
「……」←図星。
だって…さー、
あんなに泣きながら面と向かって大嫌いなんてさー、
俺も男の前に一人の人間…
「馬鹿だな。嘘に決まってるだろ。行ってこい。俺も好きだって伝えてこい。金髪。」
「名前を呼べ。名前を」
「見た目は怖いけど…とってもやさしいです…っ背が高くて…指が綺麗!」
「…全っ然似てねーぞ…」
仕方ねーな。
全くあいつはなんであんなに鈍感なんだよ。
俺は一回好きだって伝えてんじゃねーか。
もう三回目はねーぞ。
保健室から飛び出すと、佐藤を無我夢中で追いかけた。