センシティブ♥ボーイ
第21章 好きだってば
もう一度学校に戻ってみたけど、いないし、
予備校に行ってみたけど、鍵はかかったままだ。
佐藤の近所の公園もしらみつぶしに探してみたけど、どこにもいなくて。
雨は降り続く一方で、どんどん体力も奪われていく。
佐藤も傘持ってないんじゃ…
あいつ、体力ねーのにこんな中どこかほっつき歩いてたら風邪引くぞ。
「もしかして…誘拐……とか」
嫌な予感がしたけど、そうそう誘拐なんて、と、自分の考えを否定する。
「まさか…俺ん家なわけ、ないよな…」
あと佐藤が知っていると思われる場所で俺が知ってるところといったら、もう俺ん家しかない。
「これでいなかったら…もう知らないからな」
また走って走って、俺の家の前。
見ると
「いた……。」
門の前に座り込んで寝ている佐藤の姿が、あった。