センシティブ♥ボーイ
第22章 蛙はカエル
目の前に鈴木くんがいて、嬉しい半面恥ずかしいのと、さっきまで拗ねていた気持ちがぐちゃぐちゃになって。
また布団をかぶろうとすると、それを鈴木くんに阻止される。
「何拗ねてんだよー」
「なんでも…ないもん…」
「この顔がなんでもねー顔か!」
「いたたたたた」
ギューッとほほを横に引っ張られて、抵抗して手を出すと、その手を絡め取られて布団の上に押し倒された。
息がかかるほど、鼻が触れ合うほどに鈴木くんの顔が近い。
ドキドキドキドキ
鈴木くんを好きって自覚してから、恋人同士になってから、
どんどんどんどん、鈴木くんを好きになっていく。
「どーしたら、機嫌、直してくれんの」
「……」
ついさっきまで出していた声とは違う、低くてなんだか甘い声に耳がビリビリした。
鈴木くんの優しい瞳が僕を見つめている。
その瞳の中に僕が映っていて、鈴木くんが今、僕だけを見てくれているんだと実感できた。
「キス…して……ほし…」
本当に小さな声で呟くと、鈴木くんは満足気にはは、と笑ってちゅーっと唇をくっつけてくれた。