センシティブ♥ボーイ
第26章 ちょっと距離を置こうか。
「とりあえず、食べろ。
時間なくなっちゃうから。」
「う、うん…」
急いでご飯をかきこむ佐藤の姿に癒されながら、今週の土日のことを考えた。
ツルも坂本も少し休めって言ってたし…
土日は久しぶりに佐藤と過ごそうかな…
自然と緩む頬を抑えて佐藤に聞いた時だった。
「佐藤…今週の土日だけどさ…」
「あっえっあっ…えとえと…っわかってるっわかってるよ…っえと…用事だよね!ぼ、僕も土日は空いてないんだっだから、気にしないでっ」
「え…お前…土日あいてねーの?」
「うんっだから…だから…気にしないでっ僕は用事があるからっ」
佐藤はボロボロと口にいれた飯を零しながら、必死に言葉を紡ぐ。
テンションが思いっきりさがった。
でも、仕方ない。
佐藤にだって都合があるわけだし。
俺の都合に合わさせるわけにもいかない。
だけど、妙な態度にものすごく引っかかる。
凄まじい動揺っぷりに嘘の匂いが充満している気がしてならない。
「土日…なにがあんの?」
「え…っ?」
「用事。あんだろ?なに?」
「え、あ…えと…えっと…」
「うん?なに?」
「ふ、フラワー教室っ」
はい、嘘決定ー。
「へーお花…」
「そ、そうだよっ最近通い始めて」
なんでだよ。w
ニコニコと取り繕う佐藤は、嘘をつく緊張からか手汗をびっしょりかいていた。
こいつ…絶対悪さができねータイプだ。
分かり易すぎて笑える。
それにしても、なんで?
何で急にこんな風になったのか、全く心当たりがない。
よし、何としてでも土日は一緒に過ごしてやる。
俺は頭痛も忘れて、闘志に燃えていた。