センシティブ♥ボーイ
第27章 一人しかいない
◇◇◇
「あ…起きた…?」
重たい瞼を開くとすぐ傍から坂本先生の声が聞こえてきた。
その声とともに、独特な消毒液の匂い。
すぐに保健室だということわかったけど、どうして自分がここにいるのかわからなかった。
「…僕…どうして……」
「覚えてないかな…?崇史くん泣いちゃって…そのまま今まで眠ってたんだよ。きっと身体が疲れてるんだね」
「あ………」
あのまま僕は眠っちゃったんだ…
眠ったのか気を失ったのかよくわからないけど相変わらず気分は優れなかった。
「崇史くん……話してくれないかな…きっと溜めこんでると…身体にもよくないよ」
坂本先生のやさしい声が頭の中に響いた。
圭ちゃんにも鈴木くんと別れてしまったころは話していない。
いっぱい泣いているのに、やっぱり心は晴れなくて、とっても苦しかった。