センシティブ♥ボーイ
第27章 一人しかいない
きっと、鈴木くんは前にエッチをして僕が寝てしまって授業が受けられなかったとき、
僕が怒って帰ってしまった時のことを気にしてくれているんだと思う。
……僕があんなことで怒ってしまったから…
あの時だって、僕が悪いのに鈴木くんのせいにしてしまった。
僕って…とっても我儘だ………
鈴木くんに迷惑をかけた数々のエピソードを思い出して、気分が沈む。
「…鈴木くん…ごめんなさい…」
「……ほんとだよ。俺…すげえ傷ついた。嘘でもあんなこと、言うなよ」
息が詰まるほどに抱きしめられて。
苦しいはずなのに、とっても幸せな気持ちになれた。
こんな気持ちになるのは鈴木くんだけ。
圭ちゃんにこんなことされたって、苦しくって息が持たないだけだ。
「鈴木くん…」
「ん?」
「夏休み…は、一緒に勉強しよう?」
「……おう。お前の予備校がないときな」
頭をやさしく撫でてくれる。
心地好くって目を瞑って胸に顔を埋めた。
鈴木くんの心臓の音……
とっても優しいな…
とくんとくんって。
優しい音でリズムを刻んでいる。
「お前さ、これで一件落着みたいになってるけど。」
うとうとしていると、ぺしっと頭を急に叩かれて一気に目が覚めた。