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俺の愛した女

第17章 彼女の決断

予想通り、彼女は動揺を隠せないで震えていた。

「みなみおいで」手を広げて彼女を呼ぶ。
だけど、足がもつれてうまく歩けないでいる。

実のところ、俺もかなり動揺していた。
こんなに早く?
いや遅かったのか?
何のために彼女の自由を奪ってまで決行したんだ?
一緒にいるためだ。
彼女と離れたくないからだ。

「陽ちゃん泣かないで…」は?何を言うんだ。

俺は泣いていた。悲しいわけでもない、何の涙なのかわからなかった。

「陽ちゃんごめんなさい」
なんで謝るんだよ。お前は何も悪くないだろ?
悪いなら我慢させてる俺なんだよ。

その日は沈黙のまま過ぎた。

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