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初カノはエロうさ

第3章 変態彼女にお仕置きを

うさこと深雪が会えないまま数日が過ぎた。その数日の間に、深雪はまた新たな ”運命の人” を見つけたらしい。

うさこは相変わらずで、今日なんか俺のバイト先にセーラー服にオカッパ頭でやって来た。

バイト先は名の知れたカフェ。中学生の客も珍しくない。俺も、中学生の客だと疑いもしなかった。

「あの中学生さ、ずーっとお前のこと目で追ってる」

バイト仲間に茶化されるのも、別に珍しくない。

「あの中学生さ、ずーっとお前のこと、携帯のカメラで追ってる」

その言葉も珍しくない。だけど、

「アングルが変態オヤジみたい」

この言葉にピンと来た。

ズカズカと近付いていく俺に、コソコソ隠れながらもカメラを向けてるその子は、

「うさこ!」

案の定、俺の彼女だった。


「何で⁉︎ 何でバレたの⁉︎ 」

オカッパ頭のカツラを取り上げれば、うさこの柔らかな栗色の髪が揺れる。いや、揺れる…どころか、その髪を振り乱して慌てるうさこ。

セーラー服が全く違和感がない彼女は、慌てぶりまで中学生みたいだった。


そんなうさこを家まで送り帰宅すれば、

(……泥棒?)

家の中のあちこちをひっくり返している ”セイ” 母親の彼氏がいた。

「……何してんすか?」

間違いなく金目の物を探してたんだろうけど一応聞いてみる。

ビクッと身体を震わせたセイは、そこにいるのが俺一人だとわかるとフッと力を抜いた。


「よぉ」

大して親しくもないのに、友達みたいな挨拶をされる。

「……どーも」

肩を組まれ、俺より背の低いセイの方へと身体を引き寄せられた。

「友梨は?」

「いないなら仕事だと思いますけど」

あの母親か一々予定を伝えていく訳がない。セイと一緒じゃないんなら仕事だろう。


「……肝心な時にいねーのな」

舌打ちしながら小さく呟いたセイは、気持ち悪いくらいの笑顔を俺に向けた。


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