I promise you ~.:*この想い、永遠に.:*
第1章 遠い記憶~亜子編~
拓ちゃんは授業が終わったらすぐに帰っちゃうし
部活は放課後だから、中々拓ちゃんの写真を撮れずにいた。
それでも学校行事の時は写真部が中心となって写真を撮るから
拓ちゃんを優先に…撮りたかったけど
写した写真は顧問の先生と、翔太と翼にも見せなきゃいけないからそんなことはできなかった…。
拓ちゃんは、ペンションの手伝いを本当に良く頑張っていた。
以前から藍星家には新作メニューの試食を時々頼まれていて
夏が近付いたこの日も、お父さんとお母さんと3人で招いてもらっていた。
ペンションに着くと、拓ちゃんが「いらっしゃいませ」と迎えてくれる。
白いシャツに黒いエプロン。
さわやかで、カッコいい…。
客室の掃除や農園の手伝い、料理、接客と何でもやっているのは聞いていたけれど
目の前で接客をしてくれて、私達に気を配る拓ちゃんは
私よりも先に大人になってしまったみたいで
ちょっと、寂しかった…。
そんな風に感じながらも私は拓ちゃんがテーブルに並べてくれる料理を
一品一品、写真に収めていた。
そんな私を見ながらニコニコと微笑んでいる拓ちゃん。
そんな拓ちゃんをドアップでパチリ。
私だけに向けてくれている…
優しくて
大好きな笑顔を保存した。