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I promise you ~.:*この想い、永遠に.:*

第9章 私の好きな人



「すぐ帰るから」


お父さんの目を見て、課長に聞こえるようにそう言ったのに



「遅くなるかもしれません」


拓ちゃんがわざわざ言い直し、



「行こ」



終いには私の手首を掴んで歩き出す。




「拓ちゃん、離して」



後ろから声を掛けても離してくれない。



「一人で歩くから……離して?」




力はより強くなって痛いくらいだ…。






課長達から見えない所まで来てから



「拓ちゃんってばっ!」






私が立ち止まると



拓ちゃんはやっと振り返ってくれた。







だけど……







「嫌だ、離さない



二度と離すもんか…」






私の手を勢いよく自分の方へと引いて




私は……




拓ちゃんの腕の中に




閉じ込められてしまった…。










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「二人、仲いいですね……」



「生まれた時からずっと一緒に居るからなぁ…」






「彼ならきっと……娘さんを



幸せにしてくれるでしょうね…」







課長の声は



私の耳には届かなかった…。

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