
小春食堂【ARS】
第23章 バンパイア【潤】
「でもな、潤くん。」
小春ちゃんは、抱き寄せていた俺の肩を、顔が見える位置まで離した。
「気持ちは嬉しいけど、違うんや。」
「違って…、何が!」
小春ちゃんは、両手で俺の手を包み込んだ。
「潤くんの気持ちは、恋愛やないんや。」
小さい子供に諭すように話始めた。
「潤くんは、私に家族を重ねてるんや。」
「家族…?」
俺は首をかしげた。
「そうや。会いたくても会えへんお母さんやお姉さんの影を重ねてるだけや。」
「違う!そんなんじゃない!」
俺は否定した。
俺は小春ちゃんを女として見ている。
「小春ちゃんは、母さんの代わりなんかじゃない!」
小春ちゃんは、黙って首を横に振った。
「それと…、今、劇団に人気が出て大切な時やろ?」
「え…?」
「潤くんは、花形俳優なんやろ?」
「そんなこと…!」
「ファンの女の子もいるんやろ?」
何で今そんなこと言うの?
関係ないじゃん!
小春ちゃんは、まっすぐ俺の目を見つめた。
「まずは、夢を叶えなあかん。役者で一人前にならなあかん。そして、家族に会って仲直りしなあかん…。」
そうか、小春ちゃんの香りは…、
料理してる母さんの香りに似てるんだ。
もう忘れかけていた母さんの香りに…。
小春ちゃんは、抱き寄せていた俺の肩を、顔が見える位置まで離した。
「気持ちは嬉しいけど、違うんや。」
「違って…、何が!」
小春ちゃんは、両手で俺の手を包み込んだ。
「潤くんの気持ちは、恋愛やないんや。」
小さい子供に諭すように話始めた。
「潤くんは、私に家族を重ねてるんや。」
「家族…?」
俺は首をかしげた。
「そうや。会いたくても会えへんお母さんやお姉さんの影を重ねてるだけや。」
「違う!そんなんじゃない!」
俺は否定した。
俺は小春ちゃんを女として見ている。
「小春ちゃんは、母さんの代わりなんかじゃない!」
小春ちゃんは、黙って首を横に振った。
「それと…、今、劇団に人気が出て大切な時やろ?」
「え…?」
「潤くんは、花形俳優なんやろ?」
「そんなこと…!」
「ファンの女の子もいるんやろ?」
何で今そんなこと言うの?
関係ないじゃん!
小春ちゃんは、まっすぐ俺の目を見つめた。
「まずは、夢を叶えなあかん。役者で一人前にならなあかん。そして、家族に会って仲直りしなあかん…。」
そうか、小春ちゃんの香りは…、
料理してる母さんの香りに似てるんだ。
もう忘れかけていた母さんの香りに…。
