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小春食堂【ARS】

第27章 同窓会【雅紀】

みっちゃんは、勉強ができてかわいくて。
どちらかと言うと、おとなしい女の子だった。

俺はみっちゃんがずっと好きだったけど、自分の頭の悪さに気がひけて告白できなかった。

「みっちゃん、今は何してんの?」

「大阪の会社でOLしてるよ。雅紀くんは、まだ宅配便の仕事してるの?」

「うん、高校卒業してからずっと続けてるよ。」

みっちゃんは、何か知らないけどオレンジ色のカクテルを飲んでいて、頬っぺがピンクになっててとにかくかわいかった。

「雅紀くん、バスケ上手かったよね。バスケ部のエースだったもんね。」

「そんなことないよ。ただ、三年間続けてただけだよ。」

「私、帰宅部だったでしょ?放課後、時々こっそりバスケ部の練習見てたんだ。」

「えっ!そうだったの?」

みっちゃんは、ますます顔をピンクにした。

こ、これは…

♪ずっと好きだったんだぜ~♪

ケンジの歌が頭の中でよみがえってきた。

もしかして、もしかするかも…!

「雅紀くん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

「な、なに?」

心臓が激しく打つ。

「あの…、ケンジくんって彼女いるのかな?」

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