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小春食堂【ARS】

第30章 幸せ宅配便【雅紀】

台所のテーブルには月餅が置いてあった。

「ケンジ、これ横浜で買って来たんじゃないだろうな!」

「まさか、そんなめんどくさいことする訳ないだろ!駅前のササキ屋で買ったんだよ。」

「何~!中国で買ってこい、中国で!」

「♪ずっと好きだったんだぜ~♪」

「うるせー、黙れ!」



月餅のパッケージには、Made in chinaと書かれていた。

ケンジには、あれからみっちゃんの妹から連絡があったそうだ。
進展のほどは、俺は知らない。

「ずっと好きだったんだぜ…」

自分で言って自分で赤くなってみる。

優しい俺も嫌な俺も俺。

同じように、かわいいみっちゃんも、かわいいみっちゃんも…って、みっちゃんはかわいいみっちゃんしか知らない。

これから、いろんなみっちゃんを知るのかな。

今度のデート、ばっちり決めちゃうよ。
だって、俺、やる時はやるんだからね。

【相葉雅紀編・おわり】

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