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小春食堂【ARS】

第36章 約束の5日間【小春】

窓から差す日がかなり傾いてきた。

アトリエはオレンジに染まり、西日が大野さんの横顔を照らす。

アトリエに長い影を落とす。

大野さんがスケッチブックを閉じた。

「ありがとうございました。」

そう言った瞬間、大野さんはまた少年の大野さんに戻った。

頼りなげで、ふんわりした大野さんに。

帰り支度をしていると、大野さんがコーヒーに誘ってくれはった。

私は誘いを受けた。

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