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小春食堂【ARS】

第5章 俺がブロガーになった訳【翔】

広告の掲載をお願いしに、あるカフェに行った時のことだ。

カフェの女性店主は、俺の顔をなめ回すようにじっと見て言った。

「翔くん、だっけ?
キミ、かわいいね…」

「えっ…、あの…」


当時の俺は、茶髪にビアスを空けていて、はっきり言ってチャラかった。
まぁ、大学生活を謳歌していたというか、女の子の受けもよかったし、とにかくそういうファッションが流行っていたんだ。


カフェの店主は、俺の手を握り、言った。


「広告、出してあげてもいいわよ。しかも、毎月。」

「えっ!いいんですか!」

「ただし、条件があるの。」

「じ、条件…?」


店主は、俺の頬を手でそっと包んで言った。


「毎月、私に会いに来て…」


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