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小春食堂【ARS】

第40章 再会【小春】

「俺、大学は京都だったんだ。」

「俺はアパート暮らしだったけど…」

「壬生菜は京都で食べて以来だな。」

大野さんの口からは、ぽつりぽつりあの頃の話が出てきて。

久しぶりに会った大野さんは、ちっとも変わってなかった。

眠そうな目、けだるそうなしゃべり方、寝癖の髪…。

やわらかい笑い方、細い腕のしなやかな筋肉、少し突き出た唇。

しかし、10年の月日で大野さんは少し大人っぽくなっていた。

学生の時にはなかった、社会人としての雰囲気が漂っていた。

「んまいね。」

そう言って料理を食べてくれた。

全部食べ終わって、大野さんは私に聞いた。

「お姉さん、京都の人?」

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