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小春食堂【ARS】

第41章 これから【小春】

あれから、私はこれまで通り店を続けた。

毎日定食を作ってお客さんに出した。

「小春ちゃん、あの絵どーしたの?売っちゃったの?」

相葉くんは今日も元気や。

「んー?もう片付けた。」

「えー、何で?気に入ってたんでしょ?」

相葉くんは、京都でみっちゃんに舞妓の格好をさせたらしい。

「もう、必要なくなったんや。」

そこに二宮さんが入って来た。

「豆は嫌ですよ。」

「うちは日替わり専門やから、メニューは選べません。」

二宮さんは、印刷物をインターネット入校するシステムを始めたって話してた。

「ハンバーグとかないの?」

「うちはおばんざい屋やからね、ハンバーグもオムライスも一生待っても出ぇへんよ。」

二宮さんとのやり取りを、カウンターの端っこからにらみつけてる潤くん。

自分の劇団以外にも、いろいろオーディションを受けてるらしい。

「あの社長、ぶっ殺す!」

食べ終わった潤くんにこっそりおにぎりを持たせて、店の外に追い出す。

ランチタイムは忙しくも賑やかに過ぎていった。

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