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小春食堂【ARS】

第41章 これから【小春】

大野さんは、壁に釘を打って絵を掛けてくれた。

「ちょっと大きすぎっかな?」

私は首を横に振った。

「それと、これ…。」

大野さんはポケットから一枚のハガキを出した。

「来月、ギャラリーで個展やるんだ。よかったら来てよ。」

ハガキはその案内状だった。

「おおきに、ありがとう…。」

うちは、案内状をじっと眺めた。
大野さんの作品の写真が印刷されている。

「そうだ。」

大野さんは、うちの手から案内状を取り上げると、ボールペンで何かを書き込んだ。

「これ、俺の電話番号。これでもう行き違いにはなんねぇな。」

そう言って、案内状をうちの手に戻した。

私は、宝物をもらうように受け取った。

「それともうひとつ。」

大野さんは紙袋から何かを取り出した。

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